(昭和53年)
(3)食物は「美味い」時に良く消化する(5)梅雲丹の効用

人間も若い間は健康なアルカリ性体質の人が多く、『健康なんて当り前、死ぬ心配なんて、自分には当分関係ない事』と言うのが普通の人です。
そして、中年、初老にさしかかって来ると急に体の衰弱老化を感じるようになり、初めて寿命が心配になりますが、聡明な人は直ちに偏食の害に気が付くでしょう。長年の偏食グセで衰弱している臓器は、先ず胃腸から始り次に肝臓で、ひどい人は膵臓や心臓まで弱り、所謂、酸性体質になっています。
これをアルカリ性体質に戻すことは、薬や健康食品などを少々服んだって戻るものではありません。と言って放って置けば老化に加速度がつきますかた、初老を過ぎた人にとっては、急がねば危険と言える一大事です。
特効薬なんぞは無いのです。
何が何でも、偏食グセを直すことから始めねば、『丈夫な胃腸づくり』から始めねば、すべて中途半端のその場凌ぎに終るでしょう。
『よし、大本から健康体に作り直そう。』
と言う摂生心が先ず第一、その摂生を実行して目的を達成するために、梅雲丹が協力するでしょうと申しているのですが、天神様(梅核)に巡り会うご縁が有るか無いかも、人生それぞれの運命と言えますし、私の話を今聞いて居られるのが、不思議な人生の縁と申すものでしょう。

(例の一)
Aさん夫妻は、二人とも肉類や甘い物が好物でしたが、胃腸が弱く風邪も引きやすく、疲れがひどくなった中年症の悩みを《梅雲丹》の食事療法で治され、七年振りに子宝にも恵まれました。
その子に、半年を過ぎる頃から梅雲丹を少しづつ舐めさせましたが、赤ちゃんの方から梅雲丹をねだるようになり、毎日舐めさせながら離乳食に切り替えたんだそうです。
その子は、上の二人のお子さんとは似ても似つかぬ野菜好きになり、人参、大根葉、胡瓜、ピーマン、キャベツ、白菜と、よその子は余り欲しがらぬ野菜類を食べたり、果物はおやつの中でも大好物で、レモンでも夏蜜柑でもポリポリ食べるとの事、今年はいよいよ一年生ですが、虫歯一本無く風邪も引かず、胃腸は驚く程丈夫なくせに、食べる量は腹八分に自分とピタッと止めて暴食(たべすぎ)をせず、親の方が目をみはるそうです。
最初の躾が如何に大切かが解ります。その人の寿命と言うものの運命は、三歳までの躾が左右するとさえ思われますが、その良い躾良いクセをつけてやる親の愛情に協力するのが、古伝《梅雲丹》の妙効です。

(例のニ)
Bさんは、野菜と言えば漬物を食べる位で、肉、ハム、ベーコン、干し魚、に白米のご飯が大好きで、お酒は全く飲めぬ甘党でした。
五十歳から痛風になり、高血圧で血糖も出て、七年間も医者通いをしたが思わしくなく、一生病院と縁が切れぬと半ば諦めていました。(小学校の校長さんです。)
定年が近づいた頃から、奥さんも心配して、お医者の指図通りに生野菜や海草類を料理し、Bさんも理性で意識して無理に食べるのですが、数日する中には消化不良になり、又酸性食品の食生活に戻ってしまいました。
長年のクセで、嫌いな食物は体が拒否反応を起こすのです。
梅雲丹が妙効を発揮するのはこんな時です。
梅雲丹はそれ自体も梅干しに数倍する、カルシュームを含むアルカリ性食品ですが、最大の特徴は、『食物の好き嫌いのクセを直す』不思議な効能です。
Bさんが半信半疑で梅雲丹を舐め始めて半年後に会いましたが、痛風も糖尿も高血圧もきれいさっぱり消滅し、食事と言ったら、野菜でもヒジキや昆布でもムシャムシャ、すき焼きをすると野菜やコンニャクや豆腐が美味しくて、うっかりすると牛肉が食べ残されたりするそうです。
愉快なのは、大変な甘党でしたのに、甘い物が余り欲しくなくなり、少しお酒を嗜むようになったとの事。梅雲丹は酒屋さんの推薦になりそうです。
アルカリ性食品を、『うまい!』と感じて食べるようになった時、成人病は消滅していますし、所謂、アルカリ性体質に戻っているのです。


※昭和四十五年に或る決心をして、やっと『これで昔と同じ梅雲丹が作れた』と確信できる製法を見つけていたのを、無償で公開するだけでなく、グループで作りたいと希望される所には、こちらから出かけてご指導する事にしました。
人間はどうせ何時か死ぬもの、せめて生きている中に自分の生き甲斐を燃したいと誰でも思うでしょう。
『梅雲丹を拡めたら、どんなに多くの人が喜ぶだろう。』と思った時、この仕事が私の生き甲斐の一つになってしまいました。
馬油のように、すぐ効きめが判るものでもなし、信用されない方は買って下さいません。
では、無償で作り方を公開すれば、いつか日本中に拡まるに違いない・・・・梅雲丹の値打ちが知れ渡れば、どうしても作れない事情のある人や、お金持ちの人は、産地の品をお求めになる筈、と言うのが決心した知恵でした。
その後、七、八年経った頃には、梅雲丹は九州太宰府の名物として、東京の一流デパートでヒットしていたのです。
梅雲丹の作り方は前述したので省略しますが、書き残した事を一つ申します。
梅雲丹の必須原料(必ず必要な原料)は梅核ですが、梅核を沢山採るためには、国有林などに原生する《苦が梅》を採取せねばなりません。
それは仲々困難なので、梅核と全く同じ成分のものを紹介いたします。それは杏仁(きょうじん)と言って、杏の核です。杏仁は、漢方薬局などで安価に売ってくれます。
梅と杏は元々兄弟の果実で、植える場所によって杏が梅になったり、梅が杏に変わったりする事さえあります。
米国で成功した日系二世の資産家が、カリフォルニアの自宅の日本庭園に、わざわざ日本から取り寄せて移植した梅の木が、十年もせぬ中に全部杏に変わってしまった事がニュースに出た事があります。
日本と米国との土質の違いが原因でしょうが、梅と杏は元々同根の果実だからです。(ビタミンB17含有も同じ)
杏仁を使っても梅核と同じ効果を出す《梅雲丹》が作られます。

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