(昭和53年)
(12)梅と、にんにくの話(14)人間と野菜は夫婦みたいだ

女の厄年は三十三歳、男は四十一歳です。
厄年と言うのは、肉体が老化を始める注意信号の節目の年と思われます。

女は、出産と言う大事業を果しますから、肉体は男より早く衰弱するのでしょうし、それが男女の厄年の差八年に表れています。つまり、そのまま女が男より八年早く死ねば当たり前なのですが、おかしな事に男の方が先に死にます。
近頃の男女の平均寿命の差は七年、人生マラソンの後半に追い抜かれて、男が先にダウンするのは何故でしょうか?

その原因は、男の不摂生にあります。
摂生の第一は、三度の食事を毎日同じ時刻に食べること。
第二は、偏食をしないこと。
そして、第三は、争わず、和やかな心で暮らすこと。

どれもこれも男の苦手な事ばかり、『わかっちゃいるけど止められない』と言う、男のペーソスを綴った歌がありました。
あぁ、短き哉、人生。せめて仲良く生きたいものですねぇ。

(追記)(平成元年三月)
昭和天皇は、歴代天皇の中では最もご長寿(昔風に言えば、米寿)を完うされて崩御されました。

その食生活は質素と言っても過言ではなく
、麦飯を常食され青魚を好まれ、鰯だんご等は特にご好物だったとか、偏食をされないだけでなく、勿論規則正しい時刻に食事されたに違いありません。

争わず和やかな心で暮らすことも、陛下個人的には精一杯尽されたのでしょうが、日本国民族の象徴(本家の家長)と言うお家柄のため、人生の殆んどが公的に制約され、庶民だったら”一杯呑んでゴロ寝する”と言うようなストレス解消も難しく、それでいて猶且っ米寿を全うされた訳は、日常のご生活の内容が、人類のお手本みたいなご生活だったからに違いありません。

もしも、ストレス解消さえ上手になさったら、百歳のご長寿も可能だった
のにと、是々非々あれこれ話題の中にも、一入感慨深く思い入るのが、一日本国民である筆者の心でございます。

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